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フードデリバリーの配達員が流行っている理由

配達員の心構え

2020年頃のコロナ禍による緊急事態宣言が出ていた時期よりはフードデリバリーサービスのニーズがしぼんだとはいえ、配達員になることを志して実際に稼働している人は今でも多いです。
今回の記事では職業としてのフードデリバリーの配達員にフォーカスして、配達員として働くのが流行っている理由を挙げてみます。

報酬が手に入るまでの期間が短くハードルが低い

アルバイトやパートや正社員としてどこかの企業で働く場合、自分自身の経歴や長所をまとめた履歴書などの書類をつくったり試験勉強をしたり面接対策をしたりなど、自分がいかに優れた人間で企業に必要な人間であるかのアピールをするためのノウハウを身につけて実践しなければなりません。
たいていの企業だったら「生きるのにカネが必要なんです、体力と時間だけはあります」なんて言っても雇ってもらえないですよね。
自分にどんな能力があるかを客観視して、その能力でこれまでどんな問題解決をしてきたか実績をアピールして、雇ってほしい企業のどんなウィークポイントに能力を発揮できるか、企業の欠けているパーツとして自分がどうあてはまるかを熱く主張しないと戦力として見てもらえないですよね。
相手方にあたる企業側からすれば「眼の前にいるこの就職希望者は人件費を割くのに値する人物か」を判定しなければならないのですから。
ところがフードデリバリーの配達員はそういうのが一切ないのです。
配達員用アプリをスマートフォンにインストールして、アカウントを作成して、個人情報を入力して、身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)を撮影して送信する、配達員として稼働開始するまでにやることはこれだけです。
あとは個人情報や身分証明書の内容の審査が通れば誰とも会うことなく配達員として稼働開始できて、配達員用アプリに届くオファーを受諾して配達すれば報酬が手に入ります。
報酬を得るために学歴も実績も自己分析も試験勉強も面接対策も必要ないのです。
アルバイトやパートや正社員としてどこかの企業で働く場合、雇用されるまでに書類準備や面接日程調整など、早くても数週間はかかります。
フードデリバリーの配達員は審査は早ければ3日間ほどで完了します。
「配達員でカネを稼ごう」と志して一週間もかからずにカネが手に入るのです。
そんなわけでフードデリバリーの配達員は報酬が手に入るまでの期間が短くハードルが低いのです。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

人付き合いのノウハウを身に着けなくてもよい

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、その組織や事業部の専門的なスキルの他に、どんな分野であれ共通で身につける必要があるスキルがあります。
それは組織の一員として周囲の人とうまくやっていくための人付き合いのノウハウです。
どんな組織であっても同じ人と短くて数ヶ月、長くて数年は繰り返し顔を合わせて働くことになるわけで、その人と不仲になって「これ以上一緒に働けない」となっては組織として機能しなくなるため、納得できないことや気に入らないことがあってもうまくやっていく、和を乱さない、不満を顔に出さない、そんなノウハウが必要になるわけです。
あとは相手の顔色や肩書を見て「この人には逆らわないようにしよう」と考えたりとか作り笑顔をしたりとか組織の飲み会には積極的に参加しようとか、組織の中で円滑に歯車として機能するための振る舞いが必要になったりするわけです。
一方、フードデリバリーの配達員はそういうのが一切必要ありません。
1件あたり長くとも数十分で終わる配達業務で接する人はピックアップ地点の店員とドロップオフ地点の顧客のみで、ほんの一瞬顔を合わせるだけで長く付き合っていく関係にはなりません。
置き配の配達だったら顧客と顔を合わせることすらありません。
関わる人間がとても少ないので相手の顔色を見て言葉を選ぶ必要もなければ、飲み会もありません。
ピックアップ地点の店員への挨拶とドロップオフ地点の顧客への挨拶はほぼ定型文で済み、機械的な対応でカネが手に入ります。
生きていくためのカネを得るために他人を見て臨機応変に対応する必要がないのです。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

他人に命令されたり命令したりするストレスがない

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、上司から命令を受けたり部下に命令したりする必要に迫られます。
組織で働く以上、他人に命令されたり命令したりすることがない人は存在しません。
どんなに個人の能力が優れていても、いずれはその能力を部下に引き継ぐために部下に命令をしなければなりません。
なぜなら能力が優れた個人よりも、組織である法人の方が長く存続させなければならないからです。
優れた能力を持つ従業員が退職や異動でいなくなった途端に組織として機能しなくなったらまずいので、従業員がいなくなっても事業が円滑にまわるようにノウハウを後任に引き継いで属人化を防ぐのが、どんな組織にも課せられた使命です。
そして他人に命令されたり命令したりするのはストレスがかかります。
特に命令する側になったときの方がストレスが大きいのが普通です。
自分がプレーヤーとして業務遂行した方が早く処理できるけれど、部下を育てて一人前にするために裏方に徹して命令しなければならない、そのストレスが大きいのです。
また性格的に、他人に頼み事をするのに抵抗がある人もいるでしょう。
同僚にお願いをするくらいなら自分でやった方が早いし同僚に気を使わなくて済むし貸しをつくらなくて済む、という考え方です。
一人で黙々と手を動かす方が好きな人ならなおさらです。
ではフードデリバリーの配達員はどうかというと、配達員ひとりで商品を受け取って配達する作業なので、他人に命令されたり命令したりすることがありません。
配達員用アプリで商店からの指示(入店方法など)や顧客からの指示(置き配完了時にインターホンを押すなど)はありますが、大してストレスにならない内容です。
オファーを受諾して現在地からピックアップ地点、ドロップオフ地点に移動する際も経路は自由です。
配達員用アプリのナビ機能はありますが、必ずしもナビ通りに進む必要はありません。
自分以外の誰かに何か命令を出すこともありません。
そのためフードデリバリーの配達員は精神的な負担が少ないです。
メンタルを壊さなくても生きていくためのカネを得られる。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

規則正しい生活をしなくてよい

毎日同じ時刻に就寝して同じ時刻に起床する。
言葉にすると簡単ですがこれを実践できる人は少ないでしょう。
飲み会帰りで酔いが回っているといつの間にか翌朝になっていた、ということもあるでしょうし、翌日に会議や出張などの緊張するイベントがあると寝付けないこともあるでしょう。
そもそも仕事も用事もない状態にあったとしても毎日睡眠時間が安定するか、という話もあります。
私は日によって睡眠時間が大きくブレます。
3時間程度で目が覚めてしまうこともあれば9時間以上起きないこともあります。
人間の身体はそういうふうにできているのですから、規則正しく生活をする方が無理があります。
決まった時刻に出勤して決まった時刻に退勤する生活の方が心身への負担が大きいのです。
眠くなったら眠り、起きて体調が良く働きたい気分になったら働く、この方が自然です。
そしてフードデリバリーの配達員は規則正しい生活をしなくても生きていくためのカネが得られます。
フードデリバリーサービスである程度の営業時間は決まっていますが、その範囲内で働きたいときにオファーを受諾して働くことができます。
体調や気分が乗らないときはオファーを受けなくても良いし、体力とやる気があればいくら働いても残業時間などに縛られることもありません。
晴れた日に朝から外に出て働きたい日もあれば、日中は暑くて外に出たくないから涼しくなる夕方から働きたい日もあるでしょう。
フードデリバリーの配達員ならそういう働き方が実現できます。
定時だとかフレックスタイムだとか、そういう概念が一切ないのです。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

通勤がない

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、自宅から就業場所へと移動する通勤という概念があります。
満員電車に揺られてぐったりしながら移動している人もいるでしょう。
電車がトラブルで運休してストレスを抱える人もいるでしょう。
一方、フードデリバリーの配達員には通勤というものがありません。
自宅に停めている自転車やバイクにまたがって配達員用アプリをオンラインにしたらその瞬間から業務開始です。
電車やバスに乗って過ごす、できることが少ない上にカネを稼げない時間帯というものがフードデリバリーの配達員には存在しません。
公共交通機関の都合に振り回されることもありません。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

出張がない

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、上司からの命令で出張に行くことがあります。
日帰り出張や数日程度の出張もあれば、数ヶ月から数年の長期滞在ということもあるでしょう。
出張中は自宅にあるもの、たとえば趣味のものなどを全部持ってくるわけにはいかないので、滞在先でできることは限られます。
普段の趣味が滞在先でできないためにストレスを抱えることもあるでしょう。
一方、フードデリバリーの配達員には出張がありません。
自宅から自転車やバイクで行ける範囲内をぐるぐるまわって配達するだけです。
土地勘のない地方に拘束されることもありません。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

定年がない

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、就業規則で定められた定年や、ある役職に留まれる年齢の上限を定めた役職定年があります。
ずっと同じ身分で働きたい、カネを稼ぎ続けたいと思っても規則でできなかったりするのです。
また転職活動をしていて、年齢を理由に採用を断られることもあるでしょう。
一方、フードデリバリーの配達員には定年がありません。
身体が動く限りカネを稼ぎ続けることができます。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

覚える業務がシンプル

学校の教職員の場合、勤務日に毎日行う業務の他に運動会や入学式のような年に1回くらいしかやらないけど忘れてはいけない業務があります。
商店でも創業セールなどの、普段とは違う特別な作業があります。
企業や役所の職員でも会議や出張のような、普段のデスクワークとは違う特別な業務があります。
コンビニの店員は陳列している商品を売るだけでなく、公共料金の支払いに対応したり、店内調理までこなさなければなりません。
どんな職種であれ従業員として雇用される場合、ほぼ定額の給料を受け取って「あれもやれ、これもやれ」と様々な業務を命令されて、覚える業務が多岐にわたります。
一方、フードデリバリーの配達員は商品を受け取って届けてスマートフォンから完了報告するだけです。
その他にやることは何もありません。
一度配達を終えて要領をつかんだら、あとは同じことをひたすら繰り返せばカネを稼げます。
カネを得るために覚えるべき業務がシンプルで、発生した問題に応じて臨機応変に対応したりソリューションを考えたりする必要がありません。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

「社会貢献をしている」という実感がわかりやすい

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、「なんのためにこの業務をしているのだろう」「上司からつくるよう指示された書類はなんの役に立つのだろう」と疑問を抱くことがあります。
上司に言われるがままにやっていることが、組織や社会にどう役立っているのかはっきりしないことがあるのです。
そうして毎月の給料日に月給が支給されるものの「この給料がどういうプロセスを経て得られたものなのかわからない、自分のやったことがどう作用して会社の売上や給料になったのかわからない」と思い悩むことがあるのです。
そうして給与所得だけでカネを得る人生を続けて定年退職したときに、気づくのです。
自分の力だけで1円でも稼ぐ方法、給料以外でカネを得る方法、それらを知らないということに。

一方、フードデリバリーの配達員はとてもわかりやすいです。
腹をすかせた顧客に料理を届けて社会に貢献し、その対価として報酬を得る。
とてもシンプルですよね。
なんの役に立つのかわからない業務というものがフードデリバリーの配達員にはありません。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

実力主義で報酬体系がわかりやすい

企業や役所といった組織で従業員として働く場合、基本的には時給・日給・月給といった勤務時間に応じた固定給で、あとは半年や一年ごとに人事考課や業績評価といった「直近の実績と今後の成長計画のアピール」をして賞与(ボーナス)を1円でも多くもらうために自分を良く見せる、という行為をすることになります。
そして年功序列を謳っていなくても固定給や役職は勤続年数に応じて上がっていく傾向で、従業員ひとりひとりのスキルよりも「組織にどれだけ長い間貢献したか」が重視されやすいです。
一方、フードデリバリーの配達員は固定給も賞与も年功序列もありません。
配達員用アプリに表示されるオファーでその案件の報酬が表示され、オファーを受諾して配達完了したらその報酬がもらえる、それだけです。
固定給ではないので配達員用アプリをオンラインにしていても、オファーを断り続けたら1円ももらえません。
何件も配達したらカネが集まり、配達しなければカネがもらえない完全実力主義で、とてもわかりやすいです。
従業員として働いていると「こんなにがんばったのにどうして給料が上がらないのか」と、組織が定める給与体系に振り回されて途方に暮れることもあるでしょう。
フードデリバリーの配達員は複雑な給与体系は一切ありません。
オファーに表示された報酬が配達完了したらもらえて、配達するたびに報酬が積み上がっていく、働いた分だけカネが稼げる、わかりやすい報酬体系です。
これが配達員として働くのが流行っている理由のひとつだろうと思います。

まとめ

フードデリバリーの配達員が流行っている理由としては「定時や就業規則といった縛りがない」「他人と長期間過ごすことに伴うストレスがない」「わかりやすい社会貢献」が挙げられると思います。
カネを稼ぐことに時間や体力といったリソースをフル投入でき、カネを稼ぐことに関係しない職場の飲み会や運動会や接待といった事柄にリソースを割く必要がないのです。
そして人類が絶滅せず、人類が食欲から解放されない限り、「料理を届けてほしい」というニーズはなくならないので、フードデリバリーの配達員という職業がなくなることもありません。
「役職とか肩書とかステータスとか人脈とかいらない、ただ生きるためのカネがほしい」という人にとってはフードデリバリーの配達員という職業は最適解だと思います。

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