日本で提供されているフードデリバリーサービスは、1件の配達案件でピックアップ地点は1~3ヶ所、ドロップオフ地点は1~3ヶ所が含まれる形で配達員にオファーがやってきます。
よくある組み合わせとしては以下の通りです。
- シングル案件(商店A→住宅a)
商店Aの商品をピックアップして住宅aにドロップオフするシンプルな案件です。
デリバリーバッグに収まる商品は商店Aのものだけなので誤配達の心配はありません。 - ダブル案件(商店A→商店B→住宅a→住宅b)
商店A→商店Bとピックアップした後に、Aの商品を住宅a、Bの商品を住宅bにドロップオフする、という形の案件です。
デリバリーバッグにはAの商品とBの商品が混在し、Aを住宅bに誤配達したりBを住宅aに誤配達するリスクがあり、配達員はそれを防ぐ工夫をする必要があります。
たとえばAの商品とBの商品が混ざらないようデリバリーバッグ内に仕切りを設けたり、それぞれの商品に案件番号を手書きした付箋を貼ったりする、という対策があります。
案件番号が印字された伝票を貼り付けた商品を提供してくれる商店もありますが、店舗によっては提供直前で伝票をはがしたり、個人経営店であれば伝票もなく白無地のレジ袋に入れて商品を提供してくることが多いため、他店の商品と見分けがつかなくなります。 - ダブル案件(商店A→商店B→住宅a)
商店A→商店Bとピックアップした後に、Aの商品とBの商品を両方とも住宅aにドロップオフする、という形の案件です。
たとえば牛丼屋の牛丼、コンビニでドリンクを注文した顧客への配達です。
デリバリーバッグに収まる商品はすべて住宅aにドロップオフするので誤配達の心配はありません。 - ダブル案件(商店A→住宅a→住宅b)
商店Aで住宅aへの商品と住宅bへの商品をまとめてピックアップする、という形の案件です。
私が稼働する仙台ではマクドナルドでよくあるパターンです。
デリバリーバッグには住宅aへの商品と住宅bへの商品が混在し、住宅aへの商品を住宅bに誤配達したり住宅bへの商品を住宅aに誤配達するリスクがあり、配達員はそれを防ぐ工夫をする必要があります。
マクドナルドであればマッククルーからレジ袋をもらって「住宅aへ届ける入れたレジ袋」「住宅bへ届ける商品を入れたレジ袋」とまとめることでレジ袋を仕切り代わりにする手がありますが、顧客によってはレジ袋1つに収まりきらないくらい大量の商品を注文することがあり、確実な対策とは言えません。 - トリプル案件(商店A→商店B→商店C→住宅a→住宅b→住宅c)
商店A→商店B→商店Cとピックアップした後に、Aの商品を住宅a、Bの商品を住宅b、Cの商品を住宅cにドロップオフする、という形の案件です。
Uber Eatsで18時~20時の夕食時によく見かけるパターンです。
誤配達のリスクに加えて商品の量によっては、下記のような一般的なサイズのデリバリーバッグに収まりきらないリスクがあります。
1軒目の商店Aが牛丼屋で定食だったりするとそれだけでデリバリーバッグの半分くらい埋まるので「商店Bと商店Cの商品が入らないのでは」と不安にかられて悲惨なことになります。
上記のいずれのケースでも最後のドロップオフ地点への配達まで終えてはじめて報酬がもらえる仕組みなので、受諾したら途中で「こんなの大変すぎて無理」と投げ出すことはできません。
そのため配達員はオファーが来た時点で「この案件を受諾しても問題ないか」と判断に迫られることになります。
オファーが来た案件を何も考えず無条件で受諾していたら大変な目に遭います。
不安に思える案件やできない案件はきっぱり拒否するのが配達員に求められる資質です。
さて、私は過去に上記のすべてのケースをやったことがありますが、結論としてはシングル案件のオファーのみ受諾し、それ以外は無条件で拒否するのがおすすめです。
今回の記事ではシングル案件のみに絞ることをおすすめする理由を以下にまとめます。
ダブル案件、トリプル案件は割に合わない
仙台で最もオファーがよく来るUber Eatsでよく見かける報酬は
「シングル案件は320円、ダブル案件は550円、トリプル案件は800円」
という相場です。
なおシングル案件の320円はUber Eatsの報酬の最安値で、どんなに短距離でもこの価格を下回ることはないようです。
上記の相場は距離や天候や曜日で若干の変動はありますが、基本的にダブル案件はシングル案件2つ(320円×2=640円)より低く、トリプル案件はシングル案件3つ(320円×3=960円)より低く抑えられる傾向にあります。
これだけで配達員から見たらおかしいと思いますよね。
ダブル案件であればシングル案件2つの640円に加えて誤配達しないよう難易度が上がる分、プラスアルファの報酬があって然るべきで、少なくとも640円は確保できないと納得がいきません。
配達実績を重ねて相場が見えてきた配達員だったら「320円×2 > 550円」とか「320円×3 > 800円」とか考えるんです。
ところが、どうもフードデリバリーサービスの運営元は違う計算をしているみたいなのですよね。
おそらく運営元は「550円-320円=230円」「800円-320円=480円」という計算をしていて、この230円とか480円が難易度が上がる分のプラスアルファの報酬だと考えているように思えるのです。
要は商店や住宅を何ヶ所巡ろうが1つの案件は1つの案件に過ぎず、案件2つ分だとか案件3つ分だとか掛け算するものではないよ、という考え方が浸透しているようなのです。
まあ運営元が実際どう考えているかはわかりませんが、基本的にダブル案件やトリプル案件はタイパが悪く、苦労したのに割に合わないのです。
1発がでかいトリプル案件に手を出すより、短距離のシングル案件を短時間で繰り返す方がトータルで積み上がる合計報酬額は大きくなると思います。
ダブル案件、トリプル案件は顧客満足度を下げる
ダブル案件やトリプル案件は基本的に配達員が経路を勝手にアレンジできません。
商店A→商店B→住宅a→住宅bのダブル案件の場合に「住宅aより先に住宅bにドロップオフしよう」とかやることは許されません。
配達員用アプリで現在位置を運営元に監視されて「この配達員は本来の経路から逸脱している」とばれて悪質な行為とみなされ、場合によっては配達員アカウント停止のリスクがあります。
配達員用アプリが「商店A→商店B→住宅a→住宅bの順番が最短なのだからこれに従え」と指示してきて、これに逆らうことはできないのです。
ところが顧客の中にはこういう事情をわかってないのがいて、ダブル案件やトリプル案件の最終地点になった顧客に手渡しするときに「なんでもっと早く持ってこないんだ」と配達員に怒る顧客がいるんです。
「ここに来るまでに他の配達を先にしなければいけないルールだから」と説明しても納得や理解が得られないのです。
特にフードデリバリーサービスの顧客は空腹を満たすために料理を注文するのが大半で、空腹で待たされているのでイライラしている可能性が高いんですね。
そういう顧客に遭遇するリスクを避けるための配達員の自己防衛策としてダブル案件やトリプル案件には手を出さない方が良いです。
またダブル案件やトリプル案件は、場合によっては商品の組み合わせが商品の品質を下げるリスクがあります。
たとえば商店A→商店B→住宅a→住宅bのダブル案件で、商店Aの商品は牛丼屋の牛丼と豚汁、商店Bの商品はコンビニのアイス、こういう組み合わせがたまにあるのです。
これらの商品をデリバリーバッグに入れたらどうなると思います?
商品同士が接触しないよう仕切りを設けたとしても牛丼と豚汁はアイスに冷やされ、アイスは牛丼と豚汁に温められます。
住宅bにアイスを届ける頃には溶けてるでしょうね。
そして厄介なことに、配達員にダブル案件のオファーが来た時点では、届ける商品が牛丼と豚汁とアイスだとは知らされないのです。
配達員がダブル案件を受諾してはじめて、最悪な組み合わせの商品を運ぶのだと判明するのです。
そんなわけでダブル案件やトリプル案件は顧客が怒ったり、商品の品質が劣化したりして顧客満足度を下げるのでおすすめしません。
配達員のメンタルにも悪影響を及ぼしますからね。
ダブル案件、トリプル案件は次のオファーにつながらない
フードデリバリーの配達員がなるべく多くのオファーを受けるために重要なのが、商店が密集する都市部から離れないことです。
私が稼働する仙台だと仙台駅から3kmほど離れた住宅地に行くと新たなオファーは来なくなります。
仙台駅の半径1km圏内に留まり続けないと数多くの配達をこなすのが難しくなります。
そしてダブル案件やトリプル案件の最終地点は都市部から遠く離れた場所になることが多いです。
1発がでかいダブル案件やトリプル案件を完了しても次につながらないのです。
次の案件を得るために都市部に移動してくるまでの間に大きなロスになります。
総走行距離5kmで大量の商品を抱えて自転車を漕ぐトリプル案件で800円稼ぐより、都市部から離れない走行距離1kmのシングル案件を3つやって960円稼ぐ方が低負荷で高報酬になる、というのが現実でよく起こるのです。
まとめ
以上の理由によりダブル案件やトリプル案件は1発はでかいけど代わりに失うものや背負うものが大きすぎるのでおすすめしません。
Uber Eatsの選択制クエストやmenuのランクボーナスなどの案件をやればやるほど儲かる仕組みがあることも考慮すると、低報酬かつ低難易度かつ短距離のシングル案件を積み重ねる方が長期的に見たら儲かります。
もしダブル案件やトリプル案件に手を出すならば「次にオファーが来た案件が本日最後に担当する案件」と区切りをつける場合、達成後のことを考えなくて良い場合です。
