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フードデリバリーの配達員は店で5分待たされたら配達をキャンセルする ~配達員が気にする数字の話~

配達員の心構え

フードデリバリーサービスの配達員をしていると、商品をピックアップする商店に到着しても商品をすぐに受け取ることができないことはよくあります。
たとえば飲食店で、受け取る商品である料理が出来上がっていない場合です。
特に昼食時の11時~13時頃、夕食時の17時~19時頃の飲食店はイートインの客で混雑していて、デリバリーの料理をさばききれていないこともあります。
そのような事態に遭遇したとき、配達員は自分の料理が受け取れるまで黙って待つのか?という話です。
私の場合、商店で5分待たされたら
「配達をキャンセルするので次に来る配達員に商品を渡して」
と店員に伝えて、配達員用アプリを通じて請け負った配達案件をキャンセルします。

なぜそうするのか?
今回の記事ではその理由と、私が配達業務をしていて気にする数字の話をまとめました。

配達員が気にする数字:地域別最低賃金

配達案件をキャンセルする理由を説明する前に、知っておくべき数字があります。
厚生労働省が定める地域別最低賃金です。

地域別最低賃金の全国一覧

アルバイトであろうと正社員であろうと、世の中のすべての「他人に雇用される職業」は時給換算で地域別最低賃金を下回らない給与が約束されます。
気になる方はタウンワークやハローワークなどの求人情報サイトで、自分が住んでいる地域の求人情報を検索してみてください。
どんな職種であれ地域別最低賃金と同額かそれ以上の給与額が記載されているはずです。
一方、フードデリバリーサービスの配達員は「他人に雇用される職業」ではない個人事業主であり、配達案件を完了するごとに得られる報酬を時給換算したときに、地域別最低賃金を下回らない金額になることは保証されません。
フードデリバリーサービスの配達員が、アルバイトで働くフリーターより儲からないことがあり得るのです。
今回の記事を執筆した2026/09/29時点で、私が稼働する仙台(宮城県)の地域別最低賃金は1,038円です。
フードデリバリーサービスで最大手のUber Eatsで、最も安価な報酬だと1案件320円です。
320円案件を1時間に3件やり続けても地域別最低賃金の1,038円に届きません。
そして320円案件のオファーが1時間に3件のペースで安定してやってくる保証もありません。
昼食時と夕食時からはずれた時間帯だとオファーが来なくなることも珍しくありません。
それでも配達員はUber Eatsの選択制クエストなどのあらゆる手を駆使して、時給換算で地域別最低賃金を下回らないように稼働するのです。
そうしないと「フリーターより稼げない個人事業主」になってしまうので。
そういうわけで私は最新の地域別最低賃金を常に気にしています。
とはいえ、下回ったとしても個人事業主は労働基準法の週40時間労働の縛りが無いので、いざとなったら一日中稼働するのを週7日やればいいだけの話なので、そう悩むことでもありません。
それに、
「フリーターより稼げなかったとしても、就業時間中に拘束されたり他人からストレスを受けて心身を壊すよりはマシ」
という考え方もあります。

配達員が気にする数字:移動速度

続いてもう1つ、知っておくべき数字があります。
自分自身が配達業務でどれくらいの速度で移動できるか、おおまかな値です。
私は電動アシスト自転車を配達用モビリティとして使っていますが、電動アシスト自転車の操作パネルに表示される移動速度を見ている感じでは、私の場合はおおよそ時速12kmで移動しています。
約5分で1km移動できる速度です。
とはいえ信号機で止まったり歩行者が多い仙台駅前はゆっくり進んだりするので、実際に5分で移動できるのは600m~800mくらいだと思います。
雨や積雪で道路が滑る日は安全のために減速走行するので、上記より遅くなることも考慮します。

配達員が気にする数字:遊びの時間・案件に拘束される時間

配達案件をキャンセルする理由を説明する前に、時間について触れます。
フードデリバリーサービスの配達業務の時間は、下記のいずれかに分かれます。

  • A.業務開始時から1件目のオファーを請けるまで、または直前の配達終了時から次のオファーを請けるまでの、案件を抱えていない遊びの時間
  • B.オファーを請けてから配達終了までの案件に拘束される時間(下記B-1,B-2,B-3の合計)
    • B-1.現在地からピックアップ地点に移動するまでの時間
    • B-2.ピックアップ地点に到着してから商品を受け取るまでの時間
    • B-3.ピックアップ地点からドロップオフ地点に移動して商品を提供するまでの時間

フードデリバリーサービスの配達業務の時間は、上記の遊びの時間と案件に拘束される時間が交互にやってくることになります。
さて、フードデリバリーサービスの配達員で
「その日に担当する案件は1つだけ。1発で高額の案件を狙う」
という働き方をしている人は少数派だと思います。
たいていのフードデリバリーサービスは案件を数多く達成するほどクエストやポイントなどの特典がもらえるので、配達員は
「1日の配達業務の中でなるべく多くの案件を処理しよう」「回転率を上げよう」
と考えます。
そのため、上記の遊びの時間と案件に拘束される時間のいずれもなるべく短くしようと考えます。
ほぼ常時案件を抱えている状態にして、抱える案件も短時間で終わるようにしようと考えます。
この遊びの時間と案件に拘束される時間のタイムマネジメントこそがフードデリバリーサービスの配達業務の最重要事項です。
配達員用アプリにオファーが来たときに表示される案件1つあたりの報酬額は、案件に拘束される時間に比べると実はそれほど重要ではありません。
案件に拘束される時間が長い高額案件を1件処理している間に、案件に拘束される時間が短い低額案件を複数処理できれば合計金額で上回る可能性はありますし、クエストやポイントなどの特典を考慮すると案件に拘束される時間が短い低額案件を複数処理する方がメリットが大きいです。
以下では遊びの時間と案件に拘束される時間を短くするために私が実践している方法を紹介します。

A.遊びの時間を短くするには

業務開始時や直前の配達終了時に、私はUber Eats・出前館・Rocket Nowの3つをオンラインにしてどの配達員用アプリにオファーが来ても見逃さないようにしています。
ただしオファーが来たら手当たり次第に飛びつくわけではありません。
遠くへ移動する必要があるオファーだと案件に拘束される時間が長くなるため、請けるべきか吟味する必要があります。
吟味については案件に拘束される時間に関わってくる話なので、遊びの時間を短くする方法としては、使っている配達員用アプリをすべてオンラインにしてオファーを見逃さないようにする、というところまでです。
また、フードデリバリーサービスは配達員の現在地に近い案件を優先的にオファーしてくる傾向があり、直前の配達で「周囲に商店が無いような、市街地からはずれた地域」にまで足を運ぶと、オファーが来る頻度が減ります。
そのため私は稼働している仙台の場合、飲食店やコンビニが多い仙台中心部(仙台駅から半径2km圏内)からはなるべく外に出ないようにしています。

B.案件に拘束される時間を短くするには

案件に拘束される時間を短くするために、この時間の内訳であるB-1,B-2,B-3を短くすることを検討します。

B-1.現在地からピックアップ地点に移動するまでの時間を短くするには

配達員用アプリにオファーが来たときに表示されるピックアップ地点の場所を見て、現在地から遠いと判断したらオファーを拒否します。
たいていは地区名を見て「現在地からこの地区は遠い」と直感的に判断しますが、前述の移動速度(私の場合は「実際に5分で移動できるのは600m~800mくらい」)も考慮し、概ね10分で移動できる1,200m~1,600mを超えて遠くに行くオファーであれば拒否します。
なお、配達員用アプリにオファーが来たときに距離が表示されますが、この距離はフードデリバリーサービスごとに「現在地~ピックアップ地点~ドロップオフ地点の合計値か、ピックアップ地点~ドロップオフ地点のみか」「推奨ルートの道路に沿った長さか、単に地点同士を直線で結んだだけの長さか」が異なるので、私はあまり参考にしていません。

B-2.ピックアップ地点に到着してから商品を受け取るまでの時間を短くするには

これが今回の記事の本題です。
この時間は店の従業員がどれくらいの時間で商品を提供できるかがすべてです。
残念ながら配達員はこの時間を短くすることはできません。
配達員にできることは「ピックアップ地点の店名を見て商品の提供に時間がかかりそうな店か、オファーを請ける前に予想する」のと「商品の提供が遅すぎたら請けた案件をキャンセルする」だけです。
そして私の場合、今回の記事のタイトル通り、店で5分待たされたらキャンセルします。
5分としているのは、「B-1.現在地からピックアップ地点に移動するまでの時間」が概ね10分以内、「B-3.ピックアップ地点からドロップオフ地点に移動して商品を提供するまでの時間」も概ね10分以内という前提で、「B.案件に拘束される時間」合計で30分を超えないようにしたいためです。
「B.案件に拘束される時間」合計で30分を超えると、1時間あたりに処理できる案件数が2件を下回ります。
1時間あたりに処理できる案件数が2件を下回ると、地域別最低賃金を上回る報酬を維持することが難しくなります。
理想的なのは「B-1.現在地からピックアップ地点に移動するまでの時間」が5分(現在地~ピックアップ地点が600m~800mくらい)、「B-2.ピックアップ地点に到着してから商品を受け取るまでの時間」が5分、「B-3.ピックアップ地点からドロップオフ地点に移動して商品を提供するまでの時間」が5分(ピックアップ地点~ドロップオフ地点が600m~800mくらい)の合計15分で、Uber Eatsの最も安価な報酬の320円が得られる案件です。
この15分320円を4件こなせれば、計算上は仙台(宮城県)の地域別最低賃金を上回ります。
上記のようなことを考えながら、店で5分待たされたら地域別最低賃金を上回る報酬が維持できなくなるからキャンセルするわけです。
「請け負った案件なら最後まで責任持って完遂すべきだ、キャンセルするな」
という意見もあるでしょうけれど、配達員としては店の従業員の都合に引っ張られて生活が立ち行かなくなるのは困るのです。
店の従業員は時給や日給などの勤務時間に応じた報酬体系になっているでしょうから商品の提供が長引いても痛くも痒くもないでしょうけれど、配達員は配達完了してはじめて報酬が得られる成果報酬なので、いつまでも待っていられないのです。
そしてフードデリバリーサービスは「店で待たされたからその分を加味して報酬を上乗せする」ようにはなっていません。
オファーで提示された金額から増額されることは無いので、店で待たされれば待たされるほど配達員は損をします。
そこで私は5分で線を引いて「これ以上は待てない」という方針にしているわけです。

なお傾向として、調理が必要な飲食店と比べるとコンビニエンスストアは商品を提供する時間が短いです。
コンビニエンスストアの店内に陳列されている商品を袋詰めするだけであれば、店に着いてから待たされる時間をほぼゼロにできます。
店内調理が必要な商品が含まれていれば待たされることもあるので確実ではありませんが、オファーを請けるときに「ピックアップ地点はコンビニエンスストアか飲食店か」は結構重要な要素になります。

B-3.ピックアップ地点からドロップオフ地点に移動して商品を提供するまでの時間を短くするには

配達員用アプリにオファーが来たときに表示されるドロップオフ地点の場所を見て、ピックアップ地点から遠いと判断したらオファーを拒否します。
「B-1.現在地からピックアップ地点に移動するまでの時間」同様、地区名を見て直感的に判断します。
またドロップオフ地点がどこなのかは配達完了後の遊びの時間にも関わってくるので、それも考慮して遠くには行かないようにします。

まとめ

以上をまとめると、配達員はフリーター以上の稼ぎを得るために、なるべく短距離で、なるべく店で待たされない案件を選び、複数案件を高い回転率で処理するよう心がけています。
そして店で待たされる時間が我慢の限界に達したらキャンセルします。
そうしないと配達員は生活が立ち行かなくなります。
Uber Eatsは配達員用アプリに応答率やキャンセル率を表示して「配達員はこれらの指標を意識して業務に励みましょう」と促してきますが、配達員からすればそんなものを気にしている余裕はありません。
移動距離が長くて割に合わないオファーは拒否して応答率を下げますし、店で待たされる案件はキャンセルしてキャンセル率を上げます。
これは配達員自身の生活を守るために必要な戦略です。

参考:1時間あたりに処理する案件数

私はUber Eats・出前館・Rocket Nowの3つをオンラインにして届いたオファーからシングル案件に絞って請け負うスタイルで稼働しています。
シングル案件を選ぶ理由は下記の記事に掲載しています。

フードデリバリーの配達員はシングル案件のみ受諾する
フードデリバリーの配達員のノウハウのひとつに、シングル案件のみ受諾するというものがあります。その理由をまとめました。

そして遊びの時間と案件に拘束される時間を短くするよう考慮しながら長期に渡って配達員を続けていると、1日の中で処理した案件数を稼働時間で割って求められる「1時間あたりに処理する案件数」がおおよそ一定になります。
この「1時間あたりに処理する案件数」ですが、私の場合はおおよそ2.4件です。
5時間通しで稼働すると12件くらい配達完了できることになります。
15分320円案件を1時間あたり4件こなせれば理想的ですが、現実はそう甘くはありません。
どの街で配達業務をするか次第ではありますが、「1時間あたりに処理する案件数」を3件以上で安定させるのは、結構高いハードルだと思います。

この記事を読んでフードデリバリーの配達員をやってみたいと思った方へ

フードデリバリーの配達員の経験がなく「記事を読んで興味を持ったのでやってみたい」と思った方は下記のリンクからフードデリバリーサービスへのアカウント登録ができます。

Uber Eats

Uber Eatsは仙台で最も多くの配達オファーが来るデリバリーサービスで昼夜問わず24時間いつでも営業しています。
「朝起きるのがつらい」という夜型生活の方でもカネを稼ぐことができます。
数あるフードデリバリーサービスの中で最も機能が充実しており、Uber Eatsの配達に慣れたら他のフードデリバリーサービスでもすぐに順応できるでしょう。
「まずはUber Eatsの配達員にチャレンジしてみよう」と思った方は下記のリンクにアクセスしてください。

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Rocket Now

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仙台は深夜になると歩行者や車が少なくなって移動しやすくなるので、配達先の建物や街なかの道路がある程度頭に入ったら深夜の方が捗ります。
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