Uber Eats・Wolt・出前館・menu・ピックゴーなど様々なフードデリバリーサービスが世の中にありますが、配達員としてオファー(案件)を受けるときに私が気をつけている点をまとめました。
初めて配達員をやってみようと思っている人や、配達員の業務に興味があるけどミスしないか不安な人の参考になれば幸いです。
土地勘のない場所のオファーは避ける
配達員向けアプリを起動してオンライン(業務開始)にした後、フードデリバリーサービスの利用者からの注文に応じてオファーが舞い込んできます。
このとき、商品をピックアップする商店と商品をドロップオフする配達先について土地勘のない場所のオファーは避けるようにしています。
「土地勘のない場所」とは、オファーに表示される住所の市区町村に続く町名を見て直感的に、現在地から近いのか遠いのか、というおおまかなイメージができるかどうかで判断しています。
オファーが来たときに表示される「現在地からピックアップ地点までの距離」「ピックアップ地点からドロップオフ地点までの距離」の数値は見ません。
町名を見て「ここからこの場所は遠い、割に合わない」と直感が働いたら辞退するようにしています。
というのも、土地勘があって普段よく目にする高層マンションが商品の配達先であったとしても、その建物の入口がどこかは知らないので建物のまわりをぐるぐるまわる羽目になった、ということは結構あるのです。
配達員向けアプリのナビ機能や地図アプリを駆使したとしても、マンションの集合玄関への経路を正確に案内してくれるとは限りません。
ドロップオフする場所が新築で地図アプリに載ってなかったり、集合玄関に入る場所が地図アプリに表示されないということも頻繁にあります。
土地勘のある場所でもそんな感じで迷うので、土地勘のない場所に行ったらなおさら迷います。
そして問題は商品をドロップオフした後の帰り道です。
配達員向けアプリは商品をピックアップする場所と商品をドロップオフする場所までは細かく案内してくれますが、配送完了後に帰り道を案内してくれません。
土地勘のある場所なら「大通りに出て、この建物が見えたらこっちに行けば帰れる」という目星がつきますが、土地勘のない場所では帰宅が難しくなる恐れがあります。
単純に来た道を戻ればいいだけではあるのですが、わかりやすい目印がなかったり夜間で真っ暗な経路だったりすると、そう簡単にはいかないのです。
結果的に、受けるオファーは普段の生活圏内およびそれに隣接する町名という具合に、「よく足を運ぶ範囲より若干広い程度」に収まります。
ダブル・トリプル・配達の追加は受けない
原則としてオファーは「商品をピックアップする商店は1箇所、商品をドロップオフする配達先は1箇所」のシングル案件のみ受けるようにしています。
複数地点でのピックアップやドロップオフがあるダブルやトリプルの案件はよほど近距離でなければ受けません。
Uber Eatsの場合は案件を受けた後、画面右下の三本線をタップして「新規のリクエストを停止」し、ピックアップ地点への移動中に入る「配達の追加」は受けないようにしています。
その理由を以下に記載します。
「シングル案件を複数受けた場合」より報酬が安く、割に合わない
仙台でUber Eatsの配達員のオファーを眺めていると、報酬の相場は概ね下記の傾向です。
・「商品をピックアップする商店は1箇所、商品をドロップオフする配達先は1箇所」のシングル案件は300円台が多い(最安値は私が知る限りでは320円)
・ピックアップ地点またはドロップオフ地点が2箇所のダブル案件は500円台が多い
・ピックアップ地点またはドロップオフ地点が3箇所のトリプル案件は800円台が多い
時間帯や天候によって相場の変動はあるものの、基本的にダブル案件1つはシングル案件2つより報酬が低く、トリプル案件1つはシングル案件3つより報酬が低く抑えられています。
フードデリバリーサービスの設計者目線では「途中経路で寄り道してピックアップやドロップオフするのだからダブル案件1つはシングル案件2つより報酬が低くなるのが当然」なのかもしれませんが、配達員目線ではダブル案件1つはシングル案件2つより報酬が高くならないと納得がいきません。
なぜならダブル案件は「デリバリーバッグ内で複数の顧客の商品が混ざることで生じる配達ミスを、配達員が工夫して防ぐ必要がある」という点でシングル案件2つより難易度が上がるからです。
場合によってはデリバリーバッグ内で商品が混ざらないよう仕切りを用意したり、デリバリーバッグを複数個用意したりといったコストが配達員負担で発生します。
またUber Eatsのクエスト(達成した案件数に応じた追加報酬)も考慮すると、案件1個の報酬はでかいけど難易度も走行距離も長くなるダブル案件やトリプル案件に手を出すより、簡単で走行距離が少ないシングル案件を多くこなす方がコスパがいいのです。
デリバリーバッグに商品が入りきらない恐れがある
ダブル案件やトリプル案件で「どのピックアップ地点もドロップオフ地点も近いので簡単そうだ」と住所だけ見て判断してオファーを受けると、注文された料理が多くてデリバリーバッグに入りきらない恐れがあります。
私はYummyRunの容量56Lのデリバリーバッグを使っていますが、このバッグだとマクドナルドでよくある「ハンバーガーとポテトとドリンクのセット」が3~4セットくらい入れたらほぼ満杯です。
1件目のピックアップ地点で受け取る商品が「家族全員分のマクドナルドのセット」だったりすると、2件目のピックアップ地点の商品を運べなくなる恐れがあります。
トリプル案件ともなればメインのデリバリーバッグの他にサブバッグを用意していないと運べないことがあり得ます。

商品が用意できるまで待たされる恐れがある
商品をピックアップする商店によっては、配達員が到着した時点で料理ができあがってなくて「あと10分ほど待ってほしい」と言われることがあります。
特にランチタイムやディナータイムは商店はイートインの料理を用意するのに手一杯で、配達員向けの料理が後回しになることがあります。
2軒目のピックアップ地点では温かい料理が用意できているのに、1軒目で待たされたために2軒目の料理が冷めてしまった、なんてことになれば顧客から低評価を受ける恐れがあります。
配達ミスを防ぐ対策を配達員が考える責任を負う
ダブル案件やトリプル案件では「1件目の注文者の商品を2件目の注文者にドロップオフする」というような配達ミスを防ぐ対策を、配達員が考えて実行しなければなりません。
「ピックアップ元の商店が商品に貼った伝票に載っている番号と配達アプリを照合しながら配達する」というような運用面での工夫の他に、「複数の注文者の商品が単一のデリバリーバッグ内で混ざらないように仕切りを用意する」というようなシステム面での工夫が必要です。
「注意深く対処すればミスしない」という原則論を語るのは簡単です。
でも「大量の配達をこなしていく中で、絶対にミスが起こらないか?」「ドロップオフする地点が照明が暗い建物の玄関で、商品の伝票を読み取れない場合は無いか?」と考えていくと、ダブル案件やトリプル案件は配達員がコストを自己負担して対策を立てなければなりません。
「配達の追加」が頻発すると業務に集中できない
Uber Eatsでは案件を受けた後、「新規のリクエストを停止」しないと、新たな案件が「配達の追加」という形で表示されて、Uber Driverアプリのナビ機能を邪魔します。
大雨などの悪天候の日は「配達の追加」が大量に発生することがあり、これでは最初に受けた案件の配達業務に集中できませんので、「シングル案件を受けてすぐに新規のリクエストを停止」を徹底するようにしています。
現金払いのオファーは受けない
Uber Eatsの場合は初回案件から数えて40回の配達達成後に現金払いのオファーが舞い込んでくるようになりますが、私はUber Driverアプリの設定で「現金払いを受け付ける」をオフにしています。
Uber Eats以外のフードデリバリーサービスでも現金払いのオファーが来たら拒否しています。
これはお釣りをあらかじめ不足なく用意して配達業務中に常に持って移動しなければならないのと、ドロップオフ時に顧客から受け取る現金を正確に数える作業の手間を省くためです。
フードデリバリーサービスの顧客全員が現金を多めに払って「釣りはいらない」と言ってくれれば何も苦労しなくて済むのですが、現実はそうではありません。
業務中にお釣りを持ち運ぶのは荷物になりますし、フードデリバリーサービスに限らず世間一般でカネのやり取りにまつわるトラブルは面倒なことになります。
代金やお釣りが1円違うだけで顧客と言い争いになって数分~数十分のタイムロスが生じた、なんてことになったら大変です。
フードデリバリーの配達業務は多くの案件を効率よく処理して回転率を上げないと時給換算で地域別最低賃金並みに稼ぐことが難しいので、数分ロスするだけで致命的なのです。
カネのやり取りはせず「商店でピックアップした商品をドロップオフするだけ」という、扱うものは商品だけというシンプルな業務にした方が精神的なストレスが減らせますし、多くのオファーを効率よく回せます。
まとめ
今回の記事のまとめですが、フードデリバリーサービスの配達員として心がけることは「いかに業務をシンプルにして簡単な案件を多く効率よく処理するか」を徹底すること、これに尽きると思います。